特徴
X3:APの自動交易(ST/UT)は、なぜか緊急ジャンプを使用してくれません。TCでは海賊等に交易船が襲われた場合、緊急ジャンプで離脱した後に「襲われたからジャンプして逃げたよー」というメールをプレイヤーに送ってきます。ところがAPでは死ぬまで戦います。ジャンプドライブを積んでいるか否かも関係なく、彼らは売られた喧嘩を買って死にます。
それが彼らにとって本望なのかどうかは定かでないですが、船の持ち主としては非常に困ります。そのため、APの世界では交易を行う上でこのMODか、もしくは「MK3 Improvement Reloaded」が必須になります。
Economy and Supply Trader(EST)によって動かしている交易船は、襲撃を受けた際に緊急ジャンプを行ってくれるお陰で生存率が極めて高くなります。だけでなく、バニラだとセクタートレード(ST)からユニバーサルトレード(UT)に変更するにはプレイヤーが設定し直す必要がありましたが、ESTはパイロットの経験に合わせて取引可能なセクターの範囲を拡大、最終的にはほぼUT並みの広さへと自動的に調整してくれます(Trade Command Software MK3搭載時)。船を用意してあげれば、後は何もする必要がありません。
ESTの作者Lucike氏は他にも多くのMODを作成されており、ESTも含めたほぼ全てのMODは根っこが同じです。
gnasirator氏の「MK3 Improvement」もAPの問題を解消してくれるので、ST/UTだけならどちらもお勧めなのですが、工場経営用の交易船をサポートするMOD「Commercial Agent」も別途導入するなら、根幹が同じESTを導入することを推奨します。
導入方法
Lucike氏のMODを導入するのが初めての方は、まず「Lucike氏のMODを導入する際の下準備」をご覧下さい。今回使用するのは「WirtschaWirtschaftshaendler_X3TC_V3401」です。
ファイルを解凍し、「scripts」と「t」フォルダをX3の「addon」フォルダ(x3 terran conflict/addon) に移せばインストール完了です。他のファイルはアンインストール時に使用するものなので、今回は説明を省きます。後はゲームを起動し、ゲーム内で設定を行います。
船とソフトを用意する
ESTを稼動するには以下の船と条件が必要となります。・プレイヤーの交易ランクが「Dealer」以上であること
・M3, M4, M5, M6, M8, TM, TS or TP いずれかの機体や船を用意する。
・用意した船に、以下のソフトが搭載されていること
Fight Command Software MK1&2
Navigation Command Software MK1
Trade Command Software MK1&2
Trade Command Software MK3(オプション。全自動交易に必須)
Jump Drive(稼動するだけなら必須ではありませんが、有ると無しでは生存率が大きく異なります)
準備が調ったら、交易をさせたいセクターのステーションに船を停泊させて下さい。
ESTを稼動させる
ステーションに停泊させた交易船のコマンドコンソールを開き、Tradeコマンドの末尾に追加されている「Start Economy and Supply Trader」をクリックします。するとESTの設定画面が開きました。
Start Economy and Supply Trader
ESTによる自動交易を開始します。設定が完了したら最後に押す項目です。
Starting sector
自動交易の開始場所です。クリックすることで変更することができます。
パイロットが経験を積む過程で、交易可能なセクターの範囲も徐々に拡がっていきます。
バニラのST/UTと違い、ランクに応じて交易圏を設定し直す必要はありません。
Trader settings
パイロットに関する設定を行います。
パイロットの解雇やパイロットを別の船に移乗させたりできますが、動かすだけなら無視して下さってかまいません。
Ware lists
自動交易で取り扱う商品を指定できます。
特定の商品に絞り込んで交易させたい場合に使用して下さい。指定しない場合、パイロットは自分で儲けが出そうな商品を探します。特に理由がなければ、これもデフォルトのままで良いです。
それから、Trade Command Software Mk3を搭載していない場合は必ずここで取り扱う商品を指定しなければなりません。 公式スレッドでのマニュアルでは「Products lists for supply」という項目が担っていた部分ですが、最新版のESTではWare listsに統合されました。
Exceptions(重要)
指定したセクターやステーションへの立ち入りを禁止します。 海賊が出没しやすい危険宙域や、Xenon Sectorを横断させないためにも予めここで指示しておく必要があります。
物騒な場所はどんどんブラックリストに登録しましょう。あとはHQに取引に来られても困るので、自前のHQも登録しておきました。登録を終えたら「Accept changes」を押せば反映されます。
Trading Conditions
細々とした設定が行えるのですが、デフォルトのままでも何ら支障がないので割愛します。
Jump Drive settings(重要)
ジャンプドライブを搭載している場合、それを使うかどうか。
海賊から攻撃を受けた際に緊急離脱の手段としてジャンプを許可するか否か。また、シールドの残量が何%でジャンプドライブを稼動するかの設定が行えます。
私はシールド残量が95%を切ったら使うように設定しています。「99%」にして1発受けたら即離脱するぐらいでも良いかもしれませんね。設定後は、「Accept changes」を押して確定することをお忘れなく。
ジャンプはパイロットのランクが「Trader」以上にならないと使用できません。
使えるようになると生存率が飛躍的に向上しますが、未熟な間は安全なセクターでランクを上げることに専念させることが大事です。
Special Equipments
使用するDroneの種類や数を設定できます。重要なのは迅速にジャンプして逃げられるかどうかなので、デフォルトのままで良いと思います。
Automatic Naming(結構重要)
EST実行中の船の名前を、テンプレートから選ぶことができます。 「この船はESTで動いていて、パイロットは今どれぐらいのランクか」というのが一目で分かるようになるので、設定しておくことをお勧めします。
「Configure automatic naming」をクリックするとテンプレートの一覧が出てくるので、そこから好みのものをお選び下さい。私は先達のお勧め通り、「Variant 1」にしています。
この設定を行うことで、EST実行中はこのテンプレートに則った名前に変わり、ESTを中断すると元の船の名前に戻ります。「Variant 1」であれば「EST 船の名前 パイロットのランク」という風になります。
Config Reports
デフォルトでは、パイロットのランクが一定の水準に達してジャンプドライブが使用できるようになった際などにプレイヤーへ連絡をするようになっています。この項目ではそれをON/OFF切り替えたり、取引の履歴なども見れるようにできるみたいですが、そのままで良いと思います。
Data Storage(重要)
今まで設定した内容を保存できます。
2隻目以降は、ここからデータをロードすれば細かい設定をそのまま流用できます。
セクターのブラックリスト登録など、面倒なものは2回目以降行わなくて良いのが助かりますね。
ここからデータをロードすると、自動交易の開始セクターもそのデータのものが流用されるので、開始セクターが異なる場合は変更するのを忘れないよう注意して下さい。
設定を終えたら、最後に「Start Economy and Supply Trader」を押せば自動交易が開始されます。
まとめ: EST開始の手順
初回1. 船を用意し、必要なソフトをインストールする。
2. 準備ができた船を、自動交易させたいセクター(開始地点)のステーションに停める。
3. ESTの設定を行う。重要なのは以下の通り。
4. まずは「Exceptions」で危険宙域をブラックリストとして登録。
5. 「Jump Drive settings」でJump Driveの使用を許可し、緊急離脱の設定を必ず行う。
6. 「Automatic Naming」で船の名前を変えておくと、状況が確認し易い。
7. 一通りの設定が済んだら、「Data Storage」で設定を保存しておく。
8. 「Start Economy and Supply Trader」をクリックしてESTを開始させる。
2隻目以降
1. 船を用意し、必要なソフトをインストールする。
2. 準備ができた船を、自動交易させたいセクター(開始地点)のステーションに停める。
3. 「Data Storage」から初回で設定したデータをロードする。
4. もし交易の開始セクターが初回と異なる場合は、「Starting sector」を変更する。
(でないと、初回のEST船が交易を開始したセクターまで徒歩で向かってしまいます)
5. 「Start Economy and Supply Trader」をクリックしてESTを開始させる。
パイロットのランクとお給料について
ESTで雇ったパイロットは仕事の過程で経験を積み、徐々にランクが上がっていきます。レベルが上がると取引可能な交易圏(セクター)が拡大していく点はバニラのソレと同じですが、ESTの場合は自動で拡がっていくのでその都度設定をし直す必要はありません。この点、彼らは煩雑な作業からプレイヤーを解放してくれるので大変嬉しいのですが、代わりにお給料(コスト)が発生します。コストといっても大して高くないのと、そのコスト自体も彼ら自身が取引で生み出す利益から差し引いているようなものなので、実際のところは気にしなくて良いです。
当のパイロットのランクは以下の通りです。
Apprentice
開始直後。開始セクターから周囲1セクターまで交易可能。(取引可能な商品は1品目のみ)
試用期間中なのでコスト無し。
Courier
開始セクターから周囲3セクターまで交易可能。(取引可能な商品も3品目まで増加)
取引完了後、取引を終えるまでに要した時間に応じてコストが発生。(1分当たり20Cr)
Supplier
開始セクターから周囲5セクターまで交易可能。(取引可能な商品も5品目まで増加)
護身用のDroneを購入・補充するように。
船の速度を向上できる余地があれば、港へ寄って船を改造します。
取引完了後、取引を終えるまでに要した時間に応じてコストが発生。(1分当たり25Cr)
Trader
開始セクターから周囲10セクターまで交易可能。(取引可能な商品も7品目まで増加)
このランクに達すると、ジャンプドライブを使用できるように。
取引完了後、取引を終えるまでに要した時間に応じてコストが発生。(1分当たり30Cr)
Dealer
開始セクターから周囲15セクターまで交易可能。(取引可能な商品も10品目まで増加)
海賊などが出没しているセクターを避けるようになる(らしい)。
取引完了後、取引を終えるまでに要した時間に応じてコストが発生。(1分当たり35Cr)
Major dealer
開始セクターから周囲20セクターまで交易可能。(全ての商品を取り扱うことが可能)
船が傷ついた際はシップヤードで自動で修理するように。
取引完了後、取引を終えるまでに要した時間に応じてコストが発生。(1分当たり40Cr)
なお、このランクはCAG等にもそのまま流用されます。ESTで経験を積んだパイロットをCAGの方で働かせることも可能、ということですね。
もし船が沈み、パイロットだけが生き残った時は
残念ながら船は元に戻りませんが、パイロットを救助(回収)して新しい船を充てれば、彼らが積んだ経験は無駄にならなくなります。詳しくは「Personnel Transporter」をご覧下さい。X3公式フォーラム―Economy and Supply Trade(Author: Lucike)
http://forum.egosoft.com/viewtopic.php?t=222408
9 コメント:
始めまして失礼します、どうやら日本語版だと導入できない?かもしれません・・・
先日の匿名のですが他のサイトに載ってたコード書き換えすれば日本語版でも使えました~
X3マネージャーを通すタイプなら日本語版でもまったく問題ないらしい、という話もありましたがやはりMOD運用は英語版の日本語化MODが一番円滑みたいです・・・。
と初めて1週間でAP版でタンカー落とされまくって泣き寝入りしかけた初心者でした~
コメントありがとうございます。
無事導入できた様子で何よりです。
日本語環境でもコードを書き換えれば導入できるという話は方々で聴いたことがあるのですが、私自身は試したことが無いので実際に導入できたと教えて頂けて安心しました。
APのバニラST/UTのパイロットは喧嘩っ早くて困りますよね。物価が高騰しているXRMの世界で800万Cr近い投資をした交易船が海賊に突っ込んで沈む姿は、それはそれはもう壮観でした。
相手や状況が悪いとESTでも沈みますが、バニラに比べれば遥かに少ないので安心して航行を続けられるというものです。
それではよい交易ライフを。
これまた先日の匿名なんですが・・・ええと・・・。
ESTのExceptionsで進入禁止セクターにしている琴座О星と宝箱に輸送船が突っ込んでかれこれEST導入してから5隻ほど喪失してるんですが・・・。
メジャーディーラーが一人減ってるのを見るとパイロットの質の問題、ってわけじゃないみたいですし割と原因不明です・・・。
日本語版がイカンのかMODの最新バージョンがバグってるのかorz
私も同じバージョンのESTを使用しているので、MOD側単独の問題とは考え難いですね。
あるとすれば日本語版(のセクター名)との相性ぐらいですが、これを確かめるのは難しいので、まずは確認が容易な部分から問題を切り分けをしてみてみます。
・ESTのExceptionsの確認
まだ生きているEST船か、或いは適当な交易船を使ってESTのExceptionsが正しく設定されているかどうかチェックしてみて下さい。
1.Exceptionsにセクターが1以上登録されているか
2.事故が起きたセクターも登録されているか
ESTの設定は船ごとに独立しているので、Aの船の設定を変更してもBの船には反映されません。Aの設定をセーブし、Bの方でロードすればAと同じ設定が反映されます。
これについては恐らくご存知とは思うのですが、見落としがちな部分でもあるので今一度確認をお願いします。
・船が禁止区域に突っ込む前に、海賊等に襲われたかどうか
EST船がジャンプドライブを使って緊急離脱する場合、大抵は隣のセクターに逃げます。
EST唯一の難儀な点として、離脱後は避難先のステーションに辿り着くまで再度ジャンプすることができません。
もしかすると、海賊に襲われたEST船が真隣の進入禁止セクターを避難先として選んだ可能性が考えられます。
ただ、私の方でそういうケースになった経験がないので、この可能性は無いかもしれません。
・セクター名が日本語による問題の可能性
上二つが関係無い場合、一番怪しいのはここですね。日本語のためにExceptionsでの登録が正常に認識されていないのかもしれません。
日本語環境でのEST導入のガイドを書いて下さった藍氏の環境も、記事内の画像から拝見する限りセクター名を英語表記に戻している様子ですし、この部分が不具合を生んでいる気がします。
もっとも、飽くまで「推論」なので根拠は無いですが…。
今の環境のバックアップを取り、有志が作った「名詞を日本語から英語に戻す」ツールを充ててみれば直るかもしれません。
http://x3tc.nefilm.net/index.php?%C6%FC%CB%DC%B8%EC%B2%BD
うーん・・・これはやはりセクター名が日本語な点が引っかかってそうですね・・・。
Steam版だからいっそのこと英語→日本語化パッチのがいいかしら・・・。
しかし以前にWikiで拾った日本語化パッチはイマイチ日本語化されてなかったしウウーン
英語環境に日本語化modを入れる方が私も良いとは思いますね。
Eihu氏の日本語化modはお試しになられましたか?
氏のブログ内に「X3の日本語化Mod関係」のページがありますので、そこからダウンロードできます。
徒然なるままに
http://eihu.wordpress.com/
"Security and Rescue Service" を導入すれば、襲われてる交易船を救援に向かったり、遭難したパイロットを救助したりしてくれますよ。(但し"Lucikes Script Collection"関連の船・パイロットのみ)
現段階で このMODOを導入される方へ、
現在バージョンが上がったため内容が Wirtschaftshaendler_X3TC_V3407
となってます。 こちらを導入してくださいませ。
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