Paranid-M1空母Oedipusと艦載機のM3 Perseus Vanguard |
概要
空母(M1)やそれに準ずる船(M7、TM)と、その艦載機の運用を手助けしてくれます。せっかく莫大な資金を投入して空母と艦載機を購入しても、いざ運用すると半ば消耗品の戦闘機を補充する度に武装やらタレットやらの再登録が億劫な作業としてプレイヤーを悩ませます。
悩み疲れ果てたプレイヤーの大半は、
「艦載機は全部Droneでいいや」
「大型艦だけでいいんじゃないかな」
の大抵どちらかに行き着きます。
Anarkis Defense System(ADS)は、煩わしさの塊りである空母の運用をサポートしてくれます。
例えば今まで面倒だった艦載機のタレットを丸ごと設定できるようになったり、ミサイルの補給も一括で行えるようになったりします。
戦闘は分隊(wing)単位で行動するようになり、相手の規模に応じて投入する戦力を母艦が判断して自動的に調整します。たった1機のM5相手に艦載機が全機発進するような事態とはもう無縁です。
もし戦闘中に深刻なダメージを負った機体は、自律して母艦への帰還を試みるようになります。必ずしも帰還できるとは限りませんが、実際に運用しているとADSを導入しているお陰で生還できた機体も少なくありません。(艦載機がTransporterを所持していると、ドッキングの過程を省略できます。多分)
更に「Defense Grid」に所属している艦船は、プレイヤーの工場等の付近に敵が現れると即座に救援へ向かいます。離れたセクターの哨戒活動中であっても救援を優先するため、より実用的な哨戒部隊の運用が可能になります。
なお、ADSは作者のSerial Kicked氏が作られた別のMOD、「Pirate Guild 3」を補完する効果もあるそうです。恐らくギルドの艦船がDefense Gridを利用しているので、セクターやステーション防衛時に遠方から迅速に駆けつけるようになるはずです。
作者曰くPirate Guild 3を導入される予定の方は、ADSの併用も強くお勧めしますとのことです。
導入方法
公式フォーラムからファイル(Defense System 2.65)をダウンロードして下さい。ダウンロード後、中身の「scripts」と「t」をaddonフォルダ内に移せば導入作業は完了です。
インストール後にセーブデータをロードすると、インストール完了のダイアログがでます。
もしXRMを導入している環境下で新規ゲームを始める場合は、新規ゲーム開始後に一度セーブしてからADSをインストールして下さい。
XRM導入完了のダイアログが表示される前にADSのダイアログが表示されてしまうと、必ずフリーズします。これはADSに限らず、インストール完了時にダイアログを表示する(XRMのダイアログより先に表示する)全てのMODに共通します。
インストール後、キーコンフィグにADS用のホットキーが追加されています。
追加場所は例によって「Controls→Interface」の末尾、「Extensions」です。
ADS Manager
ADSの設定画面を開きます。
頻繁に使用しますので、分かりやすく邪魔にならない場所のキーをバインドして下さい。
ADS: Attack My Target
プレイヤーがターゲットにしている相手に攻撃を集中します。(艦載機は自動的に出撃)
戦闘中に深刻な損傷を受けた艦載機は自動的に母艦へ帰還します。
ADS: Clear Sector
索敵活動を行い、敵を発見すると殲滅します。
戦闘中に深刻な損傷を受けた艦載機は自動的に母艦へ帰還します。
ADS: Dock all my ships
出撃している全ての艦載機を母艦へ帰投させます。戦闘中でも反撃せず、一直線に戻ってきます。
Transporterを搭載している機体は、母艦の近くまで接近すると即座に着艦します。
「CODEA」併用時の注意点
空母の運用を支援するMODとして、ADSの他にCODEA Weapon System(CODEA)も非常に有名です。両者が一つのゲームに存在していても問題は発生しません。それぞれちゃんと機能します。
ですが、同じ船にCODEAとADSを共存させることはできません。CODEAの機能を利用している船にADSを使用しないで下さい。逆も然りです。
Managerを開いてみる
ADS Managerにバインドしたキーを押して、画面を開いてみましょう。ADSが船を空母として認識するには「Carrier Command Software」を積んでいることが条件ですので、Carrier Listに船が表示されないときはソフトがインストールされているか確認して下さい。
ADSは、空母以外にもステーションに所属させた迎撃機の管理も行えます。
今回は空母の管理を通してADSの操作を確認したいので、まずは空母と艦載機を紐付けさせてみます。
Oedipusの紐付けがまだなので、Oedipusの設定を一例として行ってみます。
空母と艦載機の紐付けを行う(1)
船を選択すると、次の画面に変わります。Oedipusには既に戦闘機を30機ほど積ませているのですが、まだ細かい設定を行っていません。
船にこそ乗っているものの、船と戦闘機とは「赤の他人」状態です。
なので、「Open ADS M1 setup menu」を選択して紐付けを行うことにします。
(もし母艦がM7の場合は「Open ADS M7 setup menu」になります。名前が少し変わるだけで、機能は一緒です)
「Open ADS M1 setup menu」をクリックすると、今度は上の画面に変わります。
この画面では艦載機の設定を行えます。母艦との紐付けに留まらず、タレットの設定やミサイルの補給なども一括で行えるので大変便利です。
<Carrier Management>
Hangars...
艦載している機体の設定を行います。
先述した通り一括で行うことも、機体のクラス単位で別々に行うことも可能です。
Repair Bays...
艦載機の修理に関する設定を行います。
具体的には、修理要員としてメカニックを雇うことができます。
メカニックは時間単位のコストがかかる代わりに、艦載機を修理してくれます。
Barracks...
艦内にいる海兵隊に関する設定のようです。
なにやらトレーニング等ができるみたいですが、どう機能するのかよく分からないです。
Automated Carrier...
空母の運用をAIに委ねる際の設定を行います。
これは後ほど改めて説明します。
<Ship Supplies>
Move wares from the carrier to docked ships
母艦の物資を艦載機に渡します。
例によって一括で行えるので、ミサイルの補給等でお世話になります。
Unload wares to the carrier
艦載機の積荷を母艦に移します。上とは真逆ですね。
戦闘後の残骸を艦載機に回収させて、それを母艦へまとめて移す場合に使います。
この画面も頻繁に利用することになるので、一通りの項目について説明しました。
では艦載機の設定を行うため、「Hangars」をクリックします。
空母と艦載機の紐付けを行う(2)
「Hangars」をクリックすると、艦載機の管理画面に移ります。すると幾つかのコマンドの他に、艦内に駐機している機体の一覧がずらーっと表示されます。
まずはManagementの「Add all Ships」をクリックし、全ての機体を「Active」に変更します。
Activeになった機体はADSの指揮下に入ります。
「Remove all ships」を押せば、全ての機体を再びInactiveに戻せます。もしくは機体を個別にクリックすることで、Inactive/Activeの変更が行えます。
プレイヤー個人が乗る機体については、うっかり一緒に飛び出さないよう「Inactive」にしておくことを忘れないよう気をつけて下さい。
ともあれ、これで一応は艦載機として認識されるようになりました。
艦載機の設定を行う(名前の一括変更)
艦載機として登録できたはいいものの、そういえば名前がデフォルトのままでした。「Your~」のままでは分かりづらいので、ADSの機能で名前を一括変更してみます。
先ほど開いた艦載機の管理画面に「Rename docked ships」という項目がありましたので、これをクリックします。
すると「Raname Ships」という画面になります。文字通りですね。
3種類のテンプレートがありますので、お好きなものを選んで下さい。
私は一番シンプルそうな「ShipType Class - Number」で行うことにしました。
名前の変更を適用する対象は、「艦載している機体全て」か「Active状態の機体限定」のどちらか選択できます。状況に応じて使い分けて下さい。
名前が一括で変更されました。これで識別がしやすくなりましたね。
艦載機の設定を行う(タレットの一括設定)
購入した戦闘機のタレットを設定せず、そのまま母艦へ放り込んだきりでした。このままでは戦闘中にタレットを使用してくれないので、ミサイル攻撃等に酷く脆弱なままです。
なので、例によって、ADSを利用して一括で登録しようと思います。
艦載機の管理画面から、「Setup docked ships」をクリックします。
名前の変更を行うコマンドの一つ下ですね。
すると艦載機の設定画面が表れます。
要領は普段使用しているコマンドコンソールと全く同じですね。
違いは、それを艦載機全て(もしくはActive状態の機体限定)に一括で行えるという点だけです。
もしMARSを搭載したM6も一緒に艦載している場合は、MARSが上書きされるのを防ぐためにM6のみ一時的に「Inactive」にしておいて下さい。
艦載しているPerseus Vanguardは後部タレットのみですので、Missile Defenceで統一します。
これで艦載機の設定は全て完了しました。後は母艦の設定を残すのみです。
母艦の設定を行う(Autoモード時の設定)
空母と艦載機の紐付けは行ったものの、戦闘の度にプレイヤーが逐一指示を出すのは面倒です。なのでADSの「Automated Mode」をONにしておく事で、実戦では予め決めておいた設定に従い空母が自律して艦載機の発艦を行うにしておきます。この機能はOOSでも適用されるので、哨戒部隊に空母を組み込む際にも利用できます。(むしろそちらの方が主な用途のようです)
ADS Managerを開く→船を選択する→Automated Carrier |
空母の管理画面に変わりますので、「Automated Carrier ...」をクリックします。
AutoモードがONの際は、ここの項目に従って艦載機を自動で発進させるようになります。
<Automated Carrier Setup>
Minimal Threat Level
艦が敵勢力を探知した際、「脅威」と判断するしきい値を設定します。
敵勢力を「脅威」と見なした場合は艦載機を発進させますが、そうでない限りは発進させません。
作者のSerial Kicked氏曰く「このMODの最も肝となる部分」とのこと。
OOSでの戦闘で各地の空母が敵を発見する度に逐一艦載機を発進させているとCPUに無駄な負荷がかかるため、ADSはThreat Levelを設定することで艦載機を発進させるべきか否かを空母に判断させてCPUへの負荷を緩和させることを目的としているそうです。
M5偵察機のためにM3戦闘機が30機も一斉に飛び出すのは、戦力を割く上でも確かに無駄ですしね。
脅威度(Threat Value)は機体や船のクラスごとに値が設定されています。値は次の通り。
Ship Type M5 M4 M3 M8 M6 M7 TL TM TP TS
Threat Value 1 2 5 10 14 35 15 8 2 2
索敵範囲の敵勢力の合計値が設定した値に達すると、艦載機を発進させるそうです。
例えばデフォルトの「15」であれば、レーダーにM3が3機映ると「脅威」の範囲になりますね。
M5が1機だけでは値も1なので、この場合空母は艦載機を発進させません。
作者曰く、Minimal Threat Levelは「10~20の間が最も望ましい」とのことです。
Radar Range
文字通り、索敵範囲です。
レーダーの範囲内で捉えた敵機の数とクラスに応じて、前述した判断が行われます。
Force Damaged Ships to Retreat
深刻なダメージを受けた機体を母艦に退かせるか否か。
ADSの「売り」の一つなのでYesのままで良いと思います。
Attack Mode
攻撃対象の優先順位などを変更できます。
これもデフォルト(Auto Select)のままで良いと思います。
・Auto Select
敵の脅威度に応じて、発進させる部隊の規模を調整します。
例えばM3に対しては駆逐できる程度の戦力を調整して出しますが、
M7が現れた場合は更に多くの分隊を投入します。
索敵範囲に大型艦が存在しない場合、母艦に近い敵機を優先的に攻撃します。
・Nearest First
母艦に近い相手から優先的に攻撃します。(はず。ちと不確かです)
・Strongest First
脅威度の高い相手から優先的に攻撃します。 (同じくこれも不確かです)
Defensive Wing Size
母艦の護衛に割く戦力を調整できます。
デフォルトの「5」であれば、5機の艦載機は攻撃に参加せず常に母艦の護衛に専念します。
Delay before docking fighters in seconds
索敵範囲内の敵機を排除した艦載機は、他に敵機がいなければそのまま母艦に帰投します。
ですが帰還の途上で新手の敵が現れた場合に備え、ここで指定した時間(秒)は母艦の周囲で臨戦態勢を維持します。
「0」にすることでこの機能を切ることもできますが、作者曰く「お勧めしない」との事です。
母艦に関する設定は以上です。
(<Display>に関する設定は交戦を開始した際の通知手段ですのでここでは省略します)
設定を終えたら、「Save and close」をクリックして下さい。画面内にも注意書きがされていますが、ここの画面に関してはEscキーで戻ってしまうとセーブされません。
空母を自律制御させる(AutoモードをONにする)
母艦の設定も終えたので、Automate ModeをONにします。あとは「ADS Automated Mode」をクリックし、Enabledにします。
Autoモードはプレイヤーが空母に乗艦していても機能します。
後は状況に応じて、艦載機が自動的に発進します。
Defense Gridを使う(概要)
この機能を実際に活用したことが無いため、以下の文はマニュアルに記載されている内容を適当に訳したものです。ご注意を。Defense Gridに所属している船は、プレイヤーの所有する工場(及びセクターも?)が攻撃の危機に曝された時、即座にジャンプして救援に向かいます。その際に消耗した燃料のE-Cellは自動的に補充されるそうです。ただしお金はプレイヤーのお財布から直接引かれ、コストは定価の2倍かかります。
哨戒部隊として運用している船の場合、普段は哨戒活動をそのまま続けます。もし工場の付近で敵対勢力を察知した場合に救援として向かうのは変わりませんが、脅威を取り除いた後は再び元いたセクターに戻り哨戒活動を再開します。
Defense Gridに所属できる船のクラスは、M6・M7・M2・M1・TM・TLに限定されます。
Defense Gridを使う(使い方)
まずはADS Managerを開き、Menu部分の「Defense Grid」をEnabledにします。それから「General Settings」を開き、
許可するジャンプの範囲などの調整を行います。
<Defense Grid Setting>
Maximum Jump Distance
MODの説明文を読んでも分からなかったので以下は憶測ですが、
デフォルトだと船が航行しているセクターから半径6セクター以内で反応があった場合に救援に向かうのかな。Defense Gridの船として動く範囲と思われます。
Minimum Threat to trigger an alert
脅威度(Threat Value)のしきい値を上回った際に警告を発します。
その警告に基づいて、船が救援に飛ぶ模様。これに関しても確証がないです。
デフォルトは3なので、M3が1機出現したらトリガーになりますね。
<Ignore Factions>
例外設定。たとえ敵性勢力であっても、Ignoreとして設定(Yes)されている場合は脅威と見なしません。ただし、もし攻撃を受ければ反撃はするそうです。
設定を変更した場合は、「Save and close」で保存して下さい。
後はDefense Gridに参加させたい船の管理画面を開き、 「Used by the Defense Grid」を「Yes」にするだけです。
まとめとお詫び
以上ざっくりと説明しましたが、ご覧になられても要領を得ない内容だと思います。流れを要約すると以下の通りですので、これだけ把握していれば後は実際に触っているうちに理解して頂けると思います。こんな分かりづらい記事読んでいるよりも早いです。
母艦を用意する。M1でもM7でもTMでも、とりあえず入れば良し。
↓
母艦に艦載機として運用したい戦闘機や爆撃機、コルベット艦等を詰め込む。
↓
ハンガー画面で艦載機にしたい機体全てを「Active」にする。
タレットの設定がまだの場合は、ここで一括で行うことも可。
↓
空母にある程度の自律した行動を求めたいのであれば、
「ADS Autmated Mode」を作動させる。
ついでに1隻の船にADSとCODEAと同居させちゃダメ絶対。
もしISで空母を運用されるのであれば、艦載機を即座に撤収させたい時のために「ADS: Dock all my ships」のホットキーはバインドしておくと捗ります。
それから、母艦の管理画面にある「Command Panel」でADS特有の指示を艦載機に出すこともできます。Automated Modeを使っていれば空母が自分で判断して行動してくれるので必要になる機会は少ないと思いますが、コマンドを使えば目標に護衛部隊をつけたりすることもできます。
運用の煩わしさが緩和されると言っても空母(とその仲間たち)が金食い虫であることに変わりは無いです。とは言えその分だけロマンが詰まっていますので、空母を運用したいけど面倒くさいと敬遠されている方もこのMODを導入して一度お試し下さい。
X3公式フォーラム―Anarkis Defense System(Author: Serial Kicked)
http://forum.egosoft.com/viewtopic.php?t=246767
Anarkis Federation Wiki(作者謹製のADSマニュアル。私の記事より遥かに分かりやすいです)
http://afmodding.comli.com/wiki/doku.php?id=ads:start
3 コメント:
ADSとCODEA、どっちが使いやすいですか?
それぞれの特徴とか教えておもらえるとうれしいです
CODEAは戦術を細かく指示できるため、
プレイヤーが直接指揮を執るISでの運用に向いてますね。
ただし戦闘艦には相応の経験を積んだ士官が船の数だけ必要になるので、
CODEAの機能を駆使したければ士官を養成して揃えることがまず必要になります。
(手間は手間ですが、M3等を使用する意義が生まれるのでゲームとしてはより永く遊べる調整になると思います)
この点、ADSはパイロットを養成する手間がないため、導入すれば直ぐに運用できるメリットがあります。
それとOOSで空母にパトロールさせるなら、ADSは敵の規模に応じて迎撃部隊を編成するのでCPUへの負担が少なくて済みます。
複数のセクターをパトロールさせる場合も、ADSは柔軟に対処できるようになっています。
もっともOOSに関してはCODEAではなくSecurity and Rescue Serviceの範疇なので、
OOSでの運用について両者を比較しても意味が無いですけどね。
ADSはOOSでの防衛・哨戒行動をサポートするMODでもあるので、
それを把握した上で使い分けるか、どちらかを選ぶか決めると良いと思います。
パイロット育てるのはあのちまちました感じが好きなんでぜんぜん苦ではないんですが、艦載機を量産して武装して整えるのが…
ADSはとりあえずで割と稼働するんでかなり良いですが、混在できたらいいのになぁ
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