良い奴ほど早く死ぬんだ。いつの時代も、どこの世界でもね |
前回のあらすじ
セクター開拓の方法を思い出した。思い出したくない過去だった。
事の発端
Teladi領開拓のため、睡魔に抗いながら新しいセクターへ進入した。セクターに入った途端、警告音と共にレーダーに赤色のヤバいアイコンが映る。
このマークはM1、つまり空母だ。名前を見たらもっとヤバかった。
Kha'ak Advanced Carrier
「どうかしましたか?」
・・・う、うわあ・・・ああ・・・
ああああああああああ
(イスから転げ落ちる)
うちは椅子ないけど。
さっさと引き返せ
こいつは直視しちゃいけない。関わったら最後、身の破滅につながる。なんて異常に盛り上がった肩の筋肉。こいつの三角筋は異常、尋常な鍛え方じゃない。
Kha'ak Advanced Carrier
「やだなあ、そんなにびびらないで下さいよ。
ちょっとガタイがいいだけですから」
ああ・・あ・うんっ・ああ・・・ (足が震える)
ポリスとは死ぬことと見つけたり
無謀にも、迎撃に出たTeladiの警察がこの化け物の間合いへと踏み込んでいった。ペチペチペチペチペチ
Kha'ak Advanced Carrier
「今のは2割程度です」
(絶頂を迎える)
少し気を失って漂流していた間に
目が醒めたら、Teladiの警察も軍隊も全滅してたよ。私は採掘場の陰に流されていたから、あのケダモノからは死角になっていて助かった。
さっき全滅したと書いたけど、SSのマップには巡航艦が映っているね。それが今回の要点なんだ。
この巡航艦の乗組員は既に皆脱出してしまっている。つまり放棄された無人の艦であり、鹵獲できる艦ということ。この世界に生れ落ちてから一番ヤバい敵と一番美味い餌が、不運にも同じ宙域に同居してしまった。
ケダモノと、放棄されたTeladiの巡航艦Shrike。
奴が早くここから去ってくれれば万事上手く運ぶのに、なかなか動いてくれない。
ゲートまではそう遠くない。奴があそこから離れて距離さえ稼げれば追いかけてきても十分間に合う。
チャンスは必ず巡ってくるはずだ。奴に察知されないよう、物陰から耽々と機会を窺う。
つづく。
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